ほんきっき

アスペルガー夫に悶絶する新妻のほんきにっき

手がつけられないほど子供っぽい我が2歳児アスペルガー夫の言動行動10個

こんにちは。

ここ数日、朝の情報番組で「発達障害」について取り上げられている影響か、当ブログにびっくりする程のアクセスをいただいている。

 

だんだんと社会において「発達障害」や「アスペルガー症候群」「ADHD」などについての認知が広がっていることは大変嬉しく思う。

モデルの栗原類さんが発達障害であると社会に発信してくれた影響もとても大きいと感じる。

ああやって勇気を持って社会に「生きづらさ」を告白し、社会における発達障害に対する理解を促進してくれる働きは、本当に感謝したい。

この流れで私のような発達障害と思われる夫を持つ妻側の生きづらさも、また徐々に社会において理解されていく可能性を感じている。

 

さて、昨日の朝もテレビをつけるとそんなホットな「発達障害について」の特集が放送されていた。

見たい気持ちは山々だが、私はそそくさとテレビのチャンネルを変えた。

これは絶対、夫に見られるとまずい。

 

夫は基本的に「俺は発達障害なんてものじゃない」と思い込んでいる。

そんな夫がそんなテレビを見た日には、朝っぱらから一悶着起こる可能性がある。

朝から家庭がザワつくことを避けるため、夫がその番組を見ないよう変に気を配っていた。昨日はそんな朝だった。

 

最近私は新しく始めた仕事で忙しく、全くブログを更新できていなかったが、こうやって沢山こちらにお越しいただく方やコメントを残してくださる方に逆にいつも励まされている。

少しずつでも書き続けていきたいと思い、今日は夫が飲み会に行っている隙に更新したいと思う。

 

 

さて、今日は我が家の2歳児アスペルガー夫がいかに子供っぽいかについて、詳しく書いてみたい。

 

サーチエンジンでも「アスペルガー 子供っぽい」と検索している方も多いようだ。

我が家のアスペルガー夫も例にもれず大変子供っぽい。

 

よく言うと

「少年のようなピュアな心を持つ男性」

 

単刀直入に言うと

「わがままで自分勝手な男」

 

である。

 

物事にはいつも裏表があるというので、できるだけ夫のいいところを見ようと常に気はつけている。

でも、やっぱりアスペルガー夫が子供っぽいという事実は変わりはしない。

アスペルガーの特性は、ましにはなっても完全になくなることはないからだ。

 

 

そういうことで早速、我がアスペルガー夫が子供っぽいと感じる言動や行動を10個ご紹介していこうと思う。

 

 

アスペルガー夫の子供っぽい言動行動10個

 

1)好き嫌いが多い

 

これはアスペルガーの大きな特徴。

アスペルガーは「感覚過敏」という特性があり、食感や味などで選り好みが激しく好き嫌いがとても多い。

私の夫はウリ系の食べ物の食感がキラいで、きゅうりやあれやこれやが食べられないと言う。

ほうれん草は好き。ちんげん菜は嫌い。

えのきは噛むのがめんどくさい。

フルーツキラい。生魚キラい。

かぼちゃはイヤ。ピーマン嫌い。セロリは好き。

 

カレー好き。

ラーメン好き。

ナポリタンパスタ好き。

 

・・・・

 

小学生かーい。

 

発達障害かもと言われるイチローさんもカレーばかり食べていらっしゃるらしいが、うちの夫はラーメンばかり食べる。

「早死するよ?」と100万回警告しているが、聞く耳は持っていない。

「なんでそんなにラーメンばかり食べるの?」

という私の質問に対し

本人いわく「ラーメン以外が好きじゃないからかなぁ」とのこと。

 

うーん、意味がわからない。

 

 

2)失礼なことを平気で言う

 

アスペルガーは思ったことをすぐに口に出してしまう。

なのでよく我がアスペルガー夫は私を怒らせる。

中でも一番言ってはいけないよと言い聞かせ続けていて、相変わらず言ってくるのは以下のような言葉。

 

・ちょっと太った?

・プニプニだね

 

一応お断りすると、私はあくまで普通の体型の人間だ。

一般的によくあるように、日々微妙な体重変化に一喜一憂しながら生きている女性だと思われる。

少し食べ過ぎて体重が増えたり、冬になったらちょっと太ったり、ヨガをしてみたりジムに通ってみたり、1kg減った増えたと一喜一憂しながら、それなりに生きている。

女性にとって本当に無駄だと思うのが、夫からのこういった「太った?」関連の発言なのだが、アスペルガー夫にはいくら言わないでいいよと言っても伝わらない。

思ったらすぐ口に出し、わざわざ触ってきてはいちいち「プニプニしてる」とご丁寧に事実を伝えていただける。

あんまり頻繁に言うので、いい加減イラッとしてくる。

本人いわく「いい意味でプニプニしている」のだそうだ。

 

1日1回ペースで言われるため、本気でうっとうしい。

本当に相手が言われて嫌がっているのに気づかず、永遠と失礼な発言をし続けるのがアスペルガー夫である。

 

 

3)ごめんなさいが言えない

 

とにかく我がアスペルガー夫はプライドが高いので、いくら自分が悪くても絶対言わないのがこの言葉。

 

「ごめんなさい」

 

 自分が悪いことをいくら心から自覚していても、絶対に謝らない。

 

代わりによく言うのは、こんな言葉たち。

 

「もうそんなこといいじゃん」

「なに食べる?」

「おなか減ったね」

「明日なにするの?」

 

 

 とにかく、自分が責められている状況から逃げようとする。

まるで何もなかったかのように、日常会話を試みようとする。

 

でもこちらはまともな人間なので、なにもなかったことにはできない。

 

毎回、私は何時間掛けてでも彼を謝らせる。

 

もう、「ごめんなさいと言わせようゲーム」と名付けたい。

そのぐらい我が家で定番のゲームと化している。

 

その度、我がアスペルガー夫は、1度も謝ってないのに「何度も謝っている」と記憶をすり替えることをなぜかいつもするため、「どうしてこんなに何百回も謝らないといけないの!!??」とブチギレしてくる。

 

ここが私には不思議で仕方がない。

「ごめん」の一言を一度も発していない状態で、どうやったら「自分は何百回も謝っている」と思えるのだろうか。

彼の頭の中は宇宙だ。

 

アスペルガーは責められると発狂したり、相手を逆に攻撃し出すので本当に注意が必要だと感じている。

 

 

4)テレビが大好き

我がアスペルガー夫はとにかく家でテレビが付いていないと落ち着かない。

私はテレビを見ないのだが、彼は帰ってくると即テレビを付け、朝起きたら即テレビを付ける。

私がテレビを消すと文句を言い、すぐ付ける。

 

彼いわく「テレビの音がないとさみしい」のだそうだ。

 

私は「そんなにテレビばかり見てたら頭膿むよ?」と警告しているが、もちろんこれも聞く耳は持っていない。

 

「テレビは何時までね!!」

と言わないと、ずーーーーーっと見ている。

 

「なにがおもしろいの?」

と聞いても、おもしろいかどうかはわからないらしい。

ただ、テレビがないと不安のようだ。

 

 

5)お風呂に入りたがらない

親がよく子供に言う「早くお風呂に入りなさい!」という光景が、我が家では毎日発生している。

 

別にお風呂が嫌いなわけではないのだろうが、面倒くさいのだろうか。

お風呂のお湯を自分で入れるところまでは進んでする割に、お風呂に入るという決断に非常に時間がかかる。

 

「早く入ったら?」と言うと、

「もう少し」とごねる。

 

しまいには、

「イヤだ!」とごねる。

 

まるで子供ないいおっさんに毎日手を焼いている。

私はあなたのお母さんではない。

そういって毎日諭している。

 

 

6)永遠同じことで遊べる

 

これはつい昨夜の話だが、アスペルガーには一点集中する特性がある。

一つのことをし出すと熱中し、なかなかやめられないというところがある。

 

例えば昨夜、ひょんなことから「俺はじゃんけんが強いんだ」という話になった。

相手の出すものがわかるから、絶対負けないと言い出した。

我々は夜型の人間だが、それでもその話が出たのは朝の2時。

もう寝ようとしている時に、ちょっとじゃんけんしてみようと夫が言い出した。

 

私はじゃんけんを頭で考えてやったことはなかったのだが、夫の言うように相手の出すものを予想しながら彼との対戦に望んでみた。

 

結果、9割私が圧勝となった。

その結果が気に食わないアスペルガー夫は、自分が勝って終わるまで、永遠じゃんけんをせがんでくる状態になった。

 

さて、20分はしただろうか、2人じゃんけん大会。

優しく付き合ってあげていた私も、こちらはいたって普通の人間なので当然飽きてくる。じゃんけんなどいまいちおもしろくない。

そして眠たい。

結果、「あと一回だけ!!」と何度も言ってくる彼を押しのけ、無理やり寝かせないといけなくなった。

 

こういう人を「無邪気な大人」というのだろうか。

私はアスペルガーらしい、としか思えない。

 

こういう一点集中して、相手の空気は読まずにやりたいことをするのがアスペルガーの特徴だ。

 

 

7)一方的に言いたいことを話し続ける

アスペルガーの特に顕著な特性は話し方に現れる。

子供は自分が話したい話を親や友達に一方的に話すこともあるだろうが、子供同士はどちらもそんな感じだし、聞き上手さんも逆にまだ少ない段階だと思う。

ただ大人になると、だんだん話し方やコミュニケーションの取り方が成熟していくのが普通である。

それが普通でないのがアスペルガーだ。

 

私のアスペルガー夫は、今でこそだいぶと改善したが、3、4年前まではかなりひどかった。

話はすぐ「でも」と言って割り込むし、「でも」と言って割り込んできた割には全く違う話だったりする。

一方的にマシンガントークを1時間し続けたかと思ったら、その瞬間から黙り込んでボケーっとテレビを見ていたりする。

こちらが話をしても、ウンともスンとも言わず、真顔で黙り込んでいたりする。

今もまだこれらの症状は山ほどあるが、割と自覚しやすいのか、毎日指摘し少しずつ改善してはいる。

 

それでもアスペルガーを周りに持つ方の共通のイラっとポイントだと思う。

アスペルガーの話し方はそれほど特徴的で、相手を困らせる。

相手が困っている空気が読めないので、話し続けたり、逆に相手が話を聞いてほしい時に全く聞いていなかったりする。

 

この「話し方」は、アスペルガー本人にできるだけ改善を求めるのが良いのではと感じている。

 

 

8)すぐカッとなって切れる

これについてはコントロールが非常に難しい。

子供ならすぐ怒ったり、怒ったかと思ったらケロッとしていることもあると思う。

でもそれも、大人になるとそんな感情的に周りを振り回さないよう、気配りができるようになっていくものだ。

 

それができないのがアスペルガーだ。

我がアスぺルガー夫は、それはもう激しく切れることが多かった。

でもこの点も、幾度となく指摘し続け、少しずつではあるが以前よりマシにはなっている。

それでもアスペルガーの特性として、すぐカッとなるという性質がある。

なかなか本人がコントロールするのは難しいようで、すぐに怒ったり、相手のせいにしたりする。

 

本人にそれがダメだということを伝えるのももちろんだが、最近平行して行っていることがある。

それは、

サプリメントを飲ませること。

 

ただいま実験して3ヶ月程度なので、まだ検証中だが、発達障害は脳の機能障害のため、脳に必要な栄養の不足がアスペルガーの特性を引き起こしている可能性が指摘されている。

 

ビタミンB、C、カルシウム、マグネシウム亜鉛、コリンなど、様々なサプリメントを購入し、ほぼ毎日飲んでもらっている。

特に「コリン」はこのカッとする特性に効くと言われており、期待のサプリメントだ。

この話はこれだけで長くなるので、別の日にしっかり更新したいと考えている。

 

 

9)人を上下関係で見る

この項目はアスペルガー夫への不思議ポイントの大きなところなのだが、夫の大きな考え方の一つに相手を「上」「下」で見ているという世界観がある。

 

これは彼の言動で頻繁に見られるのだが、例えば夫が悪いことをして私が彼に怒ると、彼は

「どうしてそんなに下に見られないといけないんだ!!」

とブチギレる。

 

私は説明する。

「人って、上か下かだけじゃなくて、対等っていう立場もあるよ」

「どうして私はあなたより上にいると思うの?対等な立場で怒ってるんだよ」

 

でも、アスペルガー夫には全く通じない。

彼の頭の辞書には「対等な立場」という文字がないらしい。

 

よく聞けば、対等な友人関係や、人間関係は生きてきてこれまで経験していなさそうだった。

彼の小学校からの友人は、なぜか全員彼の「射程」「格下」ランクのようで、いつも彼は敬われて生きてきたようだ。

 

社会に入れば、すぐマネジメントの仕事を任され、人の下で働いたことはなさそうだった。

それも理由の一つだろう。

彼の世界は子供のころからの「あいつより俺って上」「みんなに下に見られたくないという世界から変わっていない。

 

 

10)怒られると怒る

 最強にやっかいなのがこのトリを飾る10番目である。

 

我がアルペルガー夫は、私が彼に怒ると、必ず逆ギレしてくる。

 

「どうして怒っているの?」

と私が問うと、答えはいつもこれ。

「だってあなたが怒っているから!普通怒るでしょ!」

 

普通だったらまかり通らないはずの論理が、彼の頭の中では成立している。

 

相手が怒っていると、自分も怒っていいという論理が、本人はお持ちのようだ。

なので、怒られていることに対して腹を立て、責められていることにキレ始める。

 

これが毎回やっかいなのだ。

 

子供ならあるかもしれないが、それでもやっかいな子供だろう。

 

それは例えば、母親から怒られた息子が、どれだけその内容が正しくても、母親に怒られる度に「なんで怒られないといけないの!?」と逆ギレするようなものである。

 

大人の男性がこれをするものだから、本当にたちが悪い。

 

だが、それを平気でし続けるのは紛れもなく、アスペルガー夫。

 

アスペルガーは、責められるのが大嫌いなのだ。頭の中は自動的に自分の身を守るための防御モードとなり、逆ギレすることで自分を守ろうとする。

正しいかどうかなど御構い無し。大事なのは自分の身なのだ。

そして30分後には自分が逆ギレしたことなどケロッと忘れてニコニコしている。 

 

そういう人種がアスペルガーだ。

 

もう、違う種類の人間だと思って接しないと、こちらが混乱して自滅してしまう。

 

 

 

アスペルガー夫(男)との毎日は、苦難の日々だ。

国際結婚をはるかに超えて難しい。

なぜなら、日本と宇宙人が結婚したほどの差があるからだ。

 

同じ人間なのに、と思った途端、何一つ上手くいかない。

地球とは別の生命体の生き物と思うしかない。

 

「彼ってアメリカ人だからな」とか「ラテンの国の人だからな」と思うと納得できるという国際結婚の場合のように、

「彼って宇宙人だからな」という理解をすると、少しはマシな関係が築けるかもしれない。

 

少なくとも、私はそう自分に言い聞かせ、日々奮闘している。

 

こんな情報が、同じ境遇の方へ少しでも役立てば幸いである。

 

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西野カナさんへ捧げる「アスペルガー男性のトリセツ」

平成の歌姫、西野カナさんの活動休止を受け、トリビュートとして遅ればせながらアスペルガー男の「トリセツ」替歌をここに捧げようと思う。まぁ、西野カナさんはいらないと思うが。

我がアスペルガー夫の目線で書いてみた。まぁ、なんて難しいこと。彼らの目線に立つというのは一般人からすれば至難の技だ。

アスペルガー男性で違いはあれど、多かれ少なかれ、皆こんな感じではないだろうか。

周りにアスペルガー確定の人物、またはグレーゾーンの人物がいる方々、ご一読くださいませ。

 

アスペルガー男性のトリセツ」

 

この度はこんな俺だが選んでくれてどうもありがとう
使用する前にこの取扱説明書をよく読んで
かなり甘めに優しく扱ってくれ
寂しがりやにつき返品交換は受け付けない
理解してやってくれ

急に不機嫌になることがあると
逆に切れます
すぐ切れるくせに放っとくと忘れます
申し訳ない
でもそんな時は懲りずに
笑顔で笑いかけてやってくれ

定期的に褒めると長持ちします
すごい人!とか
小さなことには怒らないであげよう
カッカするから
でもできたことや
小さなことも褒められたいんだよ

もしもかなり嫌気がさしてて
捨てたくなる時は
俺のいいところばかり
できるだけ思い出してくれ

これからもずっと許してくれ
こんな俺でも好きな気持ちは持っている
ずっと許し続けてくれ
謝ることはしたくないんだ

意外と外面(そとずら)はよく人に好かれます
何でも無い日の
ちょっとした相手の厚意には気づきません
センスは微妙
でもいくら俺が悪くても
できるだけ怒らないでほしい

もしも朝に起きれなかったら
優しく起こして
決してガミガミ言わないで
余計にふてくされるから

これからもどうぞよろしく
こんな俺だけど優しく接してくれ
ずっとお手柔らか目に
永久に変わらない俺だから

何回も聞いたと言わないで
辛抱強く我慢強く聞いてやってくれ
うんざりしたと言わず
仏のように見守ってくれ
広い心と深い愛で
全部受け止めて

これからもどうぞよろしく
こんな俺だけど笑って許してくれ
ずっと優しくしてくれ
怒られ慣れていないから

 

この歌詞を書いてみて改めてわかったことがある。それは、我がアスペルガー夫の目線で書くと、とにかく「怒らないでほしい」という内容ばかりになってしまったこと。アスペルガー夫にとって最近怒りまくっている妻(私)は、なんだかヒステリーに怒ってばかりいる変わった女性と位置付けられている。そして毎回私に言うのはこの言葉たち。

「いつも怒ってるね」

「そんなに怒ってばかりしなくてもいいじゃん」

「どうしてそんなに怒ってるの?」

 

なぜか、自分が わるいとは微塵も思っていない。

彼らはとにかく願っている。どんなに自分が悪かったとしても、怒ってほしくないと。優しくしてほしいと。怒らないでほしいと。受け止めてほしいと。そういうことらしい。

なんともめでたい種別の生きものだろうか。

私はまだしばらく、この新種の生きものの「トリセツ」とにらめっこする日々が続きそうだ。

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アスペルガー夫の人知を超えた天才ぶりたまには

だいたいアスペルガー夫に対しては不満しか出て来ないのだが、たまにはアスペルガーの大きな特徴の一つである天才さについて綴り、夫の良いところも思い出してみようと思う。

アスペルガー夫のひどい特徴を詳細に友人に伝えるたび、よく問われることがある。

「どうしてそんな人と結婚したの?」

この言葉にアスペルガーの妻は答えられず、いつも言葉に詰まる。

でも、アスペルガー夫には共通して輝き放つ天才的能力を備えている。そしてそれは一般男性には全く備わっていない異質な才能である。それが彼らに惹かれる理由だ。どんな女性がアスペルガー男性に惹かれるか。一概には言えないだろうが、私のように普通の男性をつまらないと感じる女性が多いと思われる。「人生こんなもんでいい」というサラリーマン体質の向上心のカケラもない男性に惹かれない。そんな女性は気がつけばアスペルガー男性のそばにいるかもしれないので要注意だ。

それではここに、私の夫の天才肌ぶりを贔屓目なく羅列して陳述してみたい。

 

アスペルガー夫は現在会社の役員をしている。そして社会人になってからずっと管理職に就き続けている。一般社員として生きることはできない。指図されるなんて耐えられない。人を動かすことが天才的に上手い。人に好かれ、人の心を動かすことができる。後輩に慕われ、上司に可愛がられ、会社にいなくては会社が成り立たないほどの存在感を放つ。1分単位で彼の元には代わる代わる決断を求め相談をしに来る後輩たちが彼のデスクに列を作る。その姿はまるでゴッドファザーさながらである。彼と話すお客さんは瞬時に彼のファンになり、虜になる。決断のスピードが異様に早く、頭の回転の良さが人間の能力を超えている。同時にいくつものことが処理でき、決断を間違わない。大きく物事を考えることができる。業績の悪い事業も彼が行えばグングン業績が上がり成功事業となる。細かい仕事には決して手を出さず、人にさせることを徹底している。鋼のメンタルを持ち、どんなに理不尽なことで怒られようとも翌日忘れられるという羨ましい能力を備える。彼に任せれば事業が安泰であることから社内で任される仕事がどんどん増える。それゆえに何個もの役職を持ち合わせている。大人3人掛かりで割り振られる仕事を1人でこなすが、給料が変わらなくても大丈夫という不思議なこだわりのなさでストレスを感じない。長時間働いても、1ヶ月働き通しでも耐えられる精神力を兼ね備えている。責任感が強く、必ず事業を成功に導く執念深さがある。上司に可愛がられると必ず報いようとする任侠の世界観を持つ。文句や愚痴を嫌い、正義感を持って仕事に取り組む真摯な姿勢がある。多少のことには動じず、いつも冷静で的確な指示を飛ばす。どんなクレーマで偏屈なお客さんも彼が対応した途端に彼のファンに変わる。上司に媚びず、部下に優しく、辛抱強い。どんな時も笑顔でにこやか。冗談を絶やさずいつも周りを笑わせるムードメーカー。彼が出勤すると皆が立ち上がり一斉に挨拶をする。皆彼のことを慕い、彼をなくてはない唯一無二の存在だと認識している。

 

さて、読んでくださった方、こんな男性どうだろうか。

私は改めて書いていて思う。

いや、なんていい男なんだ、と。

私は彼と一緒に働いていた。だから、上記の様子そのものを間近で見続けていた。なんてすごい人なんだろうと思った。人間レベルではないとすら感じていた。ただなぜこの人がこれほど人間の英知を超えているのか、その理由を知らなかった。

 

その理由が、アスペルガーだから、だったとは。

 

こんないい男であれば、どうして今私が彼の妻として苦しんでいるのか。こんなに周りから慕われ、仕事ができ信頼が厚い男性を夫に持ち、普通ならそんな男性と結婚すればハッピーエンディングではないか。

ところが、人生はそんな風に順調に行かないようにできているらしい。 彼と結婚してから、私の拷問のような苦しい日々は間も無くやってきたのだった。

なにがこんなにアスペルガー夫の問題なのか。

それは、アスペルガー夫は上記のような素敵な男とは180度別人の男に家では変貌するのである。そう、ウチとソトの人格が変わる。それがアスペルガーの特性なのだ。

仕事を辞めて一緒に彼と働かなくなった今、私が接するのは家にいる彼だけだ。そうなると、上記にツラツラ綴った素敵な男性ぶりも、私にとっては全く関係のない人となる。家でそんな素敵な男性となってくれる日は、待てど暮らせどやって来ないからだ。上記に羅列した事項を全て逆にしたのがアスペルガー夫の妻の前での正確だと言っても過言ではない。

家でのアスペルガー夫は、ワガママ・言うことを聞かない・キレる・気を遣わない。とにかくやりたい放題だ。2歳児にまで戻る。「寝たくない」「テレビみたい」「お風呂入りたくない」「食べたくない」など、イヤイヤ期の再来かと思う。

それくらい、ウチとソトの差が激しいのが、アスペルガー夫を素敵だと思って結婚してしまう理由である。ウチ=結婚しない限り判明しないからだ。

それでも、この天才的な能力は100歩譲ってもやはり素晴らしい。私はいくら努力しても彼の天才的能力を身につけることはできない。それは持って生まれた才能である。

だから、今の妻の立場で私ができること。それは2歳児に戻った天才少年を家で褒めて伸ばす教育を行うことだ。天才児を授かった母親のように、将来に甘い夢を見て今しばらくは彼に精一杯の教育を施して将来の展望に夢を駆せたいと思う。私一人では行けないほど遠いところに、彼となら行けるような希望を持って。

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「なんか、この人変」アスペルガーの話し方の独特な特徴8個(番外編:表情について)

アスペルガーにはアスペルガーの話し方の独特な特徴がある。それは一般人からしたら意味不明の要素が満載。

日々我が家のアスペルガー夫の話し方には疑問を呈すばかり。基本会話していても微妙な違和感を感じる。この言葉にできない「なんか、この人変」なリストを改めて8個にまとめ、自分のモヤモヤを備忘録的に残してみようと思う。

身内や周りの方で下記8個に該当する数が多い人は発達障害の可能性を考えてもよいように思う。どの項目も単体でみると「いるいる、そういう人」と思うことも、どれもこれも当てはまるとアスペルガーの特徴となる。

 

アスペルガーの話し方の特徴*

1)妻を名前で呼べない

夫が私を何て呼ぶか。つい最近まで私の旧姓の苗字で「〜〜ちゃん」と呼んでいた。(例えば山本さんならやまもとちゃん、のように)

今は進化して「ねえ」とか「ちょっと」。

付き合っているときに必ず通過する儀式、「ねぇ、なんて呼んだらいい〜〜?私はじゃぁ〜〜って呼ぼうかな♡」というポイントを通過することももちろんなく。そんなこと、彼の人生で経験したことがなかったらしい。「人って付き合ってるときそういう確認作業し合うんだよ?やったことないの??」と聞いてみたことがあるが、「ない。なんのためにするの?というか下の名前で呼ばれるなんて嫌だ」と意味のわからない返事が返ってきた。夫は自分のことを「〜〜さん」と苗字で呼んでほしいらしい。「私も同じ名前なんですけど・・」このあたりの感覚、本当にアスペルガーっぽい独特なものだ。

 

2)人が傷つく言葉を平気で言う

付き合っているときに相当揉めたのがこれだった。アスペルガーには「これを言ってしまうと相手が傷つくかな」と想像する力が欠如している。そのため、思ったらそのままストレートに正直に言葉に出してしまう。そしてそのことが悪いと自覚していないため、相手が気分を害して怒ってきても、怒られている意味がわからないという状況に陥る。結果、口論になり大げんかに発展する。

よくあるのが夫の「太ったね」発言問題。夫が「太ったね」と言い、私が「そういうことは言ったら女性は言ったら傷つくから言っちゃいけないんだよ!」と返す。どこの家庭にもありそうな会話に聞こえるだろうが、アスペルガー夫はこの会話を100回しても言い続けるところに特徴がある。こちらは根気強く「人が嫌がることを言ったらだめだよ」と100回テンション変えず諭し続けるメンタルの強さを強いられる。

 

3)マシンガンのように話し続ける

 アスペルガーにはON/OFFスイッチがあるようだ。そのスイッチがONになったが最後、人がどんなに興味のない顔をしていても、あからさまに下を向いて聞くまいとしても、堰を切ったように話し続ける。その時に空気を読む力はゼロなので、とにかく相手のことはおかまいなしに話し続ける。それはもう、どうにもとまらない

夫は自覚があるようで、30分〜1時間話し続けた後はいつも我に帰り「・・話しすぎた?」と私に聞いてくるようになった。「うん、話しすぎだね。」と返す。夫がそうやって饒舌に話をし続けているとき、私は「また始まった」と思ってたいだい聞いていない。夫の顔も見ず、違うことを考えていたりテレビを見ていたりする。それでも夫は気付かず話し続けるところがある意味すごい。アスペルガー会話のキャッチボールはできない。会話がキャッチボールにならない人がいたら要注意。

 

 

4)話を遮る

話を遮るということは本人にだいぶ自覚が芽生えて気をつけているようだ。気付く前は、よく職場でも人の話を「でもさ〜、」と遮っていたらしく、自分でふと「やばい」と気づいたらしい。自覚できてきているだけマシだが、自覚していても相変わらず話を遮ってくるところがアスペルガーらしい。

たちが悪いのが、わざわざ「でも〜」と私の話を遮って話し始めた割には、全く関係のない話をしてくるときだ。私はそうやって人の話を途中で遮ってまで何を話すのかと最後まで根気強く聞くのだが、びっくりすることに、最後まで聞いたら全く違う内容だったということが多々ある。私はびっくりして「え、結局どう話が繋がるの??」と聞くと、本人いわく「思い立って突然今言いたくなったから、我慢できずに話し始めてしまった」ということらしい。その我慢できない=衝動性発達障害の特徴である。

 

5)フリーズする

 口論になったらよく起こるアスペルガー夫がとるのがこの「フリーズ」行動。こちらが正当なことなどを夫に言い、何て返せばいいのか検討がつかなくなる夫はいつも「フリーズ」する。つまり、ダンマリを決め込む。「なんか言ってよ」といっても、口をつぐんで一言も話さなくなってしまう。アスペルガーは基本饒舌だが、上記4)のようにスイッチがONにならないと話せない。そして相手から責められたり攻撃されたらスイッチはOFFとなり、逆に全く話さなくなる。そのため会話が成立せず、問題を解決しようにも会話ができないので、結局問題が解決しない。その日に解決しないため翌日に嫌な雰囲気を持ち越すこととなり、悪循環のスパイラルに入っていく。

アスペルガーの特徴として顕著なのは、攻撃されると守りに入るということ。アスペルガーの脳の構造的に、被害者意識を持ちやすいことがある。そのため、いくら妻が正論を言っていても、その言葉の音などで「自分が攻撃されている」と感じると、自分を防御するために言葉を発しなくなるのだ。アスペルガーらしい特徴といえる。

 

6)「大丈夫?」が言えない

アスペルガーの特徴は、人の気持ちに寄り添えないこと。

夫に「さっきあそこで転けて足打ってすごい痛かったよ(泣)」と言ったら、夫の返事は「・・・・。」無言である。一般人からしたら、全くの理解不能。「え、普通大丈夫?とか、怪我しなかった?とか言わないの???」と訴えることになる。

アスペルガーには、人を心配するという人間の基本機能が備わっていない。なので、「心配してよ!」と言わないと、心配してくれない。いや、「大丈夫?」と無表情で言わされるだけだが。いくら妻といえど、いまいち人のことに興味がないのだ。なので、目の前で妻が血をダラダラ流して倒れているくらいのわかりやすい出来事がないと、彼の「心配機能」は作動しない。とはいっても、やっぱり心配してほしいので、その場合は「心配してね!!」といちいち言わなければいけないのだ。

 

7)やかんが沸騰したように急にキレる

これが大問題。アスペルガーは、急にキレる。そしてそれは恐ろしい形相でキレる。そして一通りキレて暴言を吐き思う存分発狂し終わったら、それはまた恐ろしいくらいにケロッと元に戻る。その一連を見ている私はホラー映画を見ているように背筋が凍る思いをする。これが私の心臓に最強に悪い。ケロッとした後は、「好き〜」と私に無邪気に言いよってくるピュアな少年ほどの変わりようを見せてくる。これは暴力を振るう夫がその後妻に優しくするどうしようもない夫と似たような恐ろしさではないか。何度もこの瞬間に出くわし、離婚を考える瞬間ともなってきた。

ただ、これだけは何度も話し合い、「次にキレたら離婚する」と伝えてある。それから、夫も意識してキレないように頑張っている。どうしようもないアスペルガーの特徴のように思えるが、ある程度は改善に向かわせることもできている状態である。

 

8)断固として「ごめん」を言わない

アスペルガーの特徴。それは謝れないこと。

アスペルガーの考え方の癖として、「自分は悪くない。相手が悪い。」と思う頭の構造になっているという。自分を被害者として考える傾向があり、自分は正しい、悪くないと考えている。そのため、どれだけ自分が悪いことをしても決して「ごめん」と謝ることができない。むしろ「あなたが悪い」と相手のせいにしてしまう。

夫にこのことを指摘して2年ほど経つが、一向に改善はしない。ただ、「自分は謝れない」と自覚は芽生えてきているようで、「俺は謝れないモン」と開き直って言ってくることが増えてきた。現在は私から根気強く「ごめんなさいって、大人なんだから悪いと思ったら言わないといけないよ」と植えつけている最中だ。最近、形だけは「ごめんなさい」と言えるようになってきた。ただ、その言い方はまるで16歳のヤンキー少年が先生に怒られていやいや口だけ棒読みで言いました、みたいな言い方だけれど。先は長いけど、あと5年経てばもう少しマシになっているだろうと思う。

 

*番外編)表情が乏しい

話し方に関連する番外編として、表情が普通の人より乏しいところが独特の特徴である。ニコニコしていることはなく無表情で、目は座っている。私の夫の顔つきとしては、歌舞伎系のキリッとした顔立ちをしている。アスペルガーに多い顔立ちのようだ。基本的に人に興味がないため、人の話をそもそも興味を持って聞いておらず、心も動かされない。爆笑できるほどおもしろい話があれば大いに笑うこともあるが、パッと見とっつきにくい顔つきをしている。本人が表情を作り、社交的に見せるときは優しい表情となるが、それも「作った顔」であり、プライベートでそんなに優しい顔をすることは滅多にない。このような表情の乏しさも、アスペルガーの独特な特徴の一つだ。

 

 まとめ

アスペルガーの独特な特徴として他に挙げればきりがないが、「話し方」に絞って以上8個にまとめみた。

周りにこういった方、いないだろうか。私の周りには夫以外にもけっこう身近にいる。20人に1人はいるという発達障害者。身近にいないはずは、実はないだろう。本人が困って生きづらさを感じている場合も多くあるだろうが、我が夫のように「本人が困っていない」タイプの発達障害者が多数存在することも事実。この場合、苦労するのは本人ではなく、周りの人々である。私も含め、アスペルガーADHDなどの発達障害者の独特な特徴を知っておくだけでも、不可解でしかなかった「あの人」の行動を、少し理解してあげられ、自分の心も少し軽くなるのではないだろうか。

そんなことを思い、書いてみました。

 

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「彼って宇宙人みたいなの」という言葉には危険が孕んでいる。

あなたの彼や夫を「宇宙人みたい」と感じたことはあるだろうか。

あれば要注意。

 

これは、私が「宇宙人のような」彼と結婚した結果、結婚後8ヶ月で早くも離婚届を突き出すにいたったある話。

 

 私にはアルペルガー夫がいる。 

本人は認めたくないようで、診断もしていないが99.9%そうだ。

こういう場合よく世間で言われているのが、

「診断していないのに発達障害ADHDアスペルガーと決めつけるのはよくないのではないか」

 という声。でも私はそうではないと思う。なぜなら身内、特に配偶者には必ずわかるだろうほぼ明確な事実だからだ。

もちろん、昔のように何も情報がなかった時代、自分の夫や妻がアスペルガーでも気づかないことも多かったと思う。相手の個性や性格と捉え、我慢してきた夫婦はたくさんいると思う。アスペルガーなどの発達障害は男性が多いと言われているため、主に妻の方が多く悩み耐えてきたと思われる。

でも今は現代。科学も進歩し研究も進んでいる。現時点で夫や妻を発達障害アスペルガーADHDと特定することは容易いと思う。

友人によく聞かれることがある。 

「どうして付き合ってる時に気づかなかったの?」 

この問いの答えは、当事者なら皆わかるのではないだろうか。

それは、

 「結婚してから本性を出すのが発達障害者だから」

 である。

 付き合っている時にはわからない。

私の夫の場合、付き合っているときももちろん不思議なところは多々あった。私は彼のことを人に説明するときは決まって、

 「宇宙人みたいな人」

 と表現していた。

よくわからない返答や行動や、メールの内容や表情をする変な人だと思っていた。歩き方も話し方も普通の人とちょっと違う。同じ星の人とは思えなかったのだ。

ただ、そこがおもしろいと思っていた。独特で個性的。なにより仕事が抜群に出来て、尊敬していた。私に危害を加えることもなかった。

それが結婚してなぜ彼がアスペルガーだと気付いたのか。それは、異常に発狂し出したり、物を投げたり、私に暴言を吐いたり、そういった家庭内モラハラと言える異常行動が増えたときだった。

もう我慢ならないと思ったのは、この行動。

「怒り狂って家の中に唾を吐いた」

この瞬間、私の中でなにかが終わった。

そして妙に納得した。

それは、「この人、なにかおかしい。」ということだった。そう思って本からインターネットから情報を漁り出すと、一つの答えに行き着いた。

あぁ、これだ。

発達障害。」

彼の変わったこれまでの行動言動全てが、発達障害者の症状にぴったり合致していた。そうか、これなら全て納得がいく。おもしろいくらい、彼の症状全てがモデルケースかのごとく本に書いてあった。

「急に発狂する、暴れる、暴言を吐く、ものを投げる、次の日に全て忘れている、ころっと態度が変わる、謝れない、自分が悪いと自覚できない、すぐ逆ギレする・・」なんだこの人、典型的な発達障害者ではないか。

 初めは面食らった。

なぜなら私の知識が浅すぎて、アスペルガーというものは空気が読めない、仕事ができない”色々できない”人だとばかり思っていたからだ。こんなに仕事が出来て頭の回転が早くすごい人だと思っていた人が、発達障害者なんて信じられなかった。

でも、そういう人が山ほどいることを調べていく内に知っていった。むしろ、アスペルガーの特徴の1つがIQが高く知能が高いことだ。天才的な特性を持つ人なのだ。

 私が彼をアスペルガーだと考える理由はもう1つあった。それは、以前彼が「俺、文字が読めないんだよね。いや、読めるんだけど、頭の中に意味として入ってこないの。意味わかる?本とか教科書とか昔から読めなくて、大人になって知ったんだけど、それが“学習障害”ってやつだったみたいなの。」と言っていたことだ。その時私は「へ〜。」と聞いていただけだったが、発達障害のことを調べていくと衝撃的なことが書いてあり、またびっくりした。

発達障害は、文字が読めないなどの識字障害と併発することが非常に多い」

という事実だった。そうか、ますます確実ではないか。彼は発達障害と識字障害を併発している人だった。

そこから私の彼との新たな戦いが始まった。

第一段階:本人に「あなたは発達障害だと思われる」と告げてみた。

ことあるごとに発狂されて暴れられてはたまらないからだ。本人の自覚を促すしか解決策はないと思った。

でもこういう状況になった方のあるあるかもしれないが、本人は決して認めない。「自分は違うと思う。むしろあなたが発達障害ではないか」と言い返される始末だった。アスペルガーの特性だが、まともにやり合うとらちがあかない。それでも、ぶつかりながら何度か本人に伝えていった。しぶしぶ、もしかしたらそうかも、と本人が若干認めるまでにはなった。

ただ本人も発達障害を認めたと思ったら認めなかったり、当事者に自覚を促すことは困難を極めた。なぜなら重要なのはこのひとつに尽きる。 

「本人が困っていない」

彼は仕事でも上手くいっており、人からの信頼も厚く、人への態度もよく、いたって順調だからだ。私との関係以外は。

どうして周りには優しく穏やかで、家に帰ってきた途端私にはわがままで自分勝手な男になるのか。理解不能だった。家庭ではただのわがまま男だった。いや、2歳児に戻った聞かん坊の悪ガキだった。

いやいや、周りに優しくできるなら、私にもしろよ。

私の色々な攻防、抵抗、防御虚しく、心が病みそうになって疲れ果ててしまったのは、結婚後たった8ヶ月後だった。ああ、これが「カサンドラ症候群」というやつね。いくらなりたくなくてもなってしまう怖さを感じた。「早めに逃げた方がいいかも」と思った。

 第二段階:本人に「離婚してくれ」と告げた。

私は彼に離婚届を突き出した。

「もう耐えられない。こんな結婚生活が続くのは私にとって地獄。私は仏ではないし、あなたの自己中心的な行動に永遠耐え続けることは不可能です。もう無理なので、離婚して。」と、できるだけ感情を入れず、淡々と伝えた。アスペルガーは人が感情的になると全く受け付けないと本で読んだとおり、あえて目をそらしながら伝えた。

彼は相当ショックだったようで、怒ったり、「そんなに俺のことが嫌いならもういいよ、離婚しよう」と言ったり、「やっぱりもう少しがんばれないの」と言ったり、二転三転しながらも、最終的には「もうちょっとがんばりたい」という気持ちに落ち着いたようだった。

第三段階:条件を突き出し、もう一度がんばってみることを告げた。

翌日、私は「キレないこと」「ちゃんと診断を受けにいくこと」など彼にいくつか条件を出し、それを守ってくれるならもう少しがんばってみることを告げた。

 

現状:奮闘中。 

離婚届を突き出してから約4ヶ月が過ぎた。

なんとかまだやっている。診断はまだ行くことが叶ってないが、いずれまた事が深刻になる日が来たら病院に連れていこうと思っている。やはり、本人も私からではなく、専門家からきちんと手順を踏んで「あなたは発達障害です。」または「グレーゾーンです」とでも言われたほうが納得がいくだろうからだ。

 

アスペルガー夫の妻に必要とされることはなにか。それは、鋼のメンタル。

発達障害者の妻というのは、この鋼のメンタルがなければただコテンパンに打ち負かされてノックアウト。私はこのメンタル強化と戦法強化のため、日々必死で訓練中。これからの道のりは長い。

では、そんなに苦労してアスペルガー夫と一緒にいるメリットは?

 そんなに大変なら、彼のようなアスペルガーなりADHDなりの発達障害者と一緒にいるメリットはゼロではないかと思われるかもしれないが、そういうわけではない。

彼らには誰も持っていない長所をふんだんに備えている。彼らは特殊能力を備え、彼らしかできないころでこの世界が良くなるよう貢献できる人たちだ。私が彼とまだ頑張ろうと思えるのは、そんな彼の将来の可能性が楽しみだからではある。一緒に何か世界に対して良い事を成せたとき、全てが報われるように思う。

そして、その綺麗事とは別に、あわよくば、この人の特殊能力を活かして本人に活躍して稼いでもらって、ラクさせてもらおう。そんなメリット(得)を享受してやろう、という気持ちも併せ持っている。これだけこちらが苦労しているのだから、そのくらいいいことがないとコスパが悪すぎる。そのくらい図太く、こちらもメリットがあるから一緒にいると思わないと、慈善事業でやってては身がもたない。間違っても「この人を支えなくちゃ」とか「私がいないとこの人どうなっちゃうかわからないから」などとは考えない。

 

もっとも、その可能性が見出せなくなったときはどうなるかわからない。今のところ、最善を尽くして上手くやっていこうと思っている次第です。

 

同じ境遇で悩む方々にとって少しでも何かお役に立てればと思い書いてみた。これからも夫とのことを色々書いていこうと思う。

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