ほんきっき

アスペルガー夫に悶絶する新妻のほんきにっき

アスペルガー夫が離婚を切り出した夜の結末

2019年のはじめから早速喧嘩続きの我々だったが、結婚1年半にして最大の離婚危機に発展した。夫が離婚を切り出してきた。今年から本厄に入る私にふさわしい幕開けだろうか。厄は2月からカウントするようだが、どうかこのクライシスが山場であってほしいと願っている。

 1月4日に書いたように、夫の借金180万円が発覚した。カードのリボ払い残額などを合わせた彼の負の遺産総額は300万円近くにも膨れ上がっていることが判明し、年を越した。胸はザワつき安らぎの得られない年明けとなった。

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早速銀行に借り入れの申請をし、審査が通り、着々と借金問題解決へ向け動いていたところに、夫がまた大きな障害となり立ちはだかった。

借金が発覚してからずっと機嫌が悪かった私に追い打ちをかけるように、夫の未払いの督促状などが届き更に不機嫌度マックスとなっていた。次から次に問題が起こるモグラ叩き状態に心底嫌気がさしながら、頑張ってトラブル解決へ奔走していた。

夫は私にお金のことで責められている状態にフツフツ不満を募らせていた。私にとっては夫自身がトラブルの原因なので不満に思う必要はどこにあるのか甚だしく疑問だが、アスペルガー夫は自分が責められることが耐えられないという特性がある。今回の借金問題で私は夫を地の底まで陥れるほど徹底的に責めたため、アスペルガー夫はストレスと不満で顔を歪めていた。

そして2日前、出張から帰ってきた夫は何か様子がおかしかった。何か言いたそうで、文句ばかり言い出した。お腹が減ったというので簡単なものを夜中に用意したら、手をつけない。「どうして食べないの?」と聞くと、「こんなおいしく食べられない状態では食べられない」と言う。わがまま2歳男児のような意味不明の主張で喧嘩を売ってくる夫に私はあきれながら、相手にするとめんどくさいので黙っていた。

夫がおもむろに話し始めた。「もう、いいかなと思うんだよね」

「なにが?」と問うと、「もういいかなと思ってね。俺も色々思うことがあって、ずっと考えてたんだよね。」

この話が始まったのが夜12時。これが悪夢の始まりだった。ここから朝5時まで壮絶な喧嘩と離婚話をすることになった。そして後述するが、夫の様子がおかしかったのは拍子抜けするほどの理由があったことが翌日わかった。

夫の話の内容はアスペルガーらしく、いつになく支離滅裂でぐちゃぐちゃだった。「もういいかな」と言い、その瞬間「一緒にうまくやっていきたい」と言う。決まった額で生活するように言い渡したことが気に食わず「こんな財布に少ししかなくて小さい人間になった気がする」と言い、次の瞬間「お金のことなんかで俺は文句言っていない」と言う。「もういいかなっていうのはどういう意味なの?離婚したいっていうことなの?」と問うと、「離婚していい」と言う。そう言ったかと思えば「うまくやっていきたいって言ってるだろ」とキーキー怒っていた。「あなたの言ってること、ぐちゃぐちゃだよ」というと「そっちの言ってることの方がぐっちゃぐちゃだ!!わかってるの!?」と攻撃してくる。カオスだった。

長らく話してくると、「もういいかな」の連発となり、「離婚してもいい」「離婚してやるよ」と話が発展してきた。私が「ようやくお金の問題を一緒に解決させて、うまくやっていこうと約束したばかりなのにもう諦めるの?それでいいの?」と問うと、「いいよ」と言う。「逃げるんだね」と私が言い、「もういいよ。俺はわがままかもしれないけど、それが俺のいいところだと思う」とまで開き直り出した。「離婚届にサインしようや」と夫が提案してきた。

今から立て直して上手くやっていこうと意気込んでいた私は、あまりの夫の我儘さにもう呆れかえってしまった。あまりにも離婚していいというので、「じゃぁ、明日離婚届持ってくるから。必ずサインしてくれるということでいいんだよね?」と聞いた。「いいよ」と夫。二言はないと言った。もうそこまで言われるのなら、私が頑張る必要はどこにもないと感じた。あまりにも拍子抜けし、涙が溢れた。「わかった。じゃあ離婚しよう。絶対明日離婚届にサインしてもらうからね。」とこみ上げる怒りを抑えながら切り捨てた。

私もだんだん覚悟ができてきた。もう、別れようと思った。そして淡々と、今後離婚するにあたってのプロセスを夫に描写していくことにした。

「じゃぁ、私は今月中に荷物全部まとめて実家に帰るから。そうすればもうこの街にいる理由はないし、もう二度と会うことはないね。絶対別れた後は連絡してこないでください。私は新しく仕事探して働いて、早くもっと素敵ないい人を見つけて結婚して幸せな家庭を築くから。その時はこの失敗を活かして、結婚前にしっかりどんな人か確認して結婚しようと思う。あなたは、もう好きなだけお金を使って好きなように生きていったらいいと思うよ。もう誰もあなたのお金の管理もしないし、誰にも縛られず独身貴族を楽しんてください。」

そうやって具体的に離婚後のイメージを夫に伝えると、夫の態度は一変した。途端に「ごめんなさい」モードに変わっていく様子がありありとわかった。

アスペルガーの特性なのだ。想像力がないということが。だから、離婚しようと相手に気軽に伝えてしまうのは、離婚したら一体どうなるのか、どのくらい自分が困るのか、どのくらい辛くて後悔するのか、それが想像力の欠如によりイメージできないことが原因にある。そのため、こうやって具体的に私がいなくなって、もう会えないというイメージを彼の頭にインプットさせると、ようやく事の重大さがわかってくる。そうしてアスペルガー夫は途端に「やばいことを言ってしまった」と理解する。

そこからは夫は完全に謝罪モードに突入し、謝り倒してきた。テーブルに手をつき「ごめんなさい」「申し訳ない」「本当にごめん」「もう絶対離婚したいとか言いません」「申し訳ありません」と永遠に続く。もう彼の攻撃性は消えていた。

でも、私は絶対謝罪を受け入れなかった。「私は言われたとおり絶対離婚するよ」「離婚したくないなら簡単に口にしないで」「男に二言はないんでしょう。あなたが何を言おうと離婚するから」「明日離婚届持ってくるから、絶対サインしてもらうからね」と散々脅し、引っ張れる最大まで引っ張って謝罪を拒否し続けた。そんな勝手な振る舞いに振り回されてたまるか、と思っていた。

アスペルガーというのは、びっくりするほどひつこいという特徴がある。夫は私が離婚しないと言うまで、絶対あきらめない。私がいくら離婚すると言い張っても「もうそんなこと言わないで。絶対頑張るから」と永遠に私を説得し続けた。そうして朝を迎えるころ、根負けをした私は「わかった。でも離婚を検討しないわけではない。お金のことが解決できなかったときは、離婚を考えるから。」と妥協し即離婚の意思を取り下げた。取り下げたからといって、あなたのことが好きだとはすぐには思えないし、仲良くするつもりはないからと伝えておいた。

それでも、アスペルガー夫は一件落着したと思い込むようで、さっそくベタベタしてこようとしていた。私にはその心の切り替えができるアスペルガーをもう天才だと賞賛するしかない。アスペルガーの特徴だ。すぐに心の切り替えができる。自分が怒っていたことなんて綺麗さっぱり忘れ去り、すぐにその人をまた愛することができる。

次の日、決して謝らない夫が私にメールをしてきた。「昨日はごめんなさい。」相当反省しているのだろうと、少し感じることはできた。それでも、何度も夫とは同じやりとりをし続けているため、全く信じてはいない。

夜に夫が帰宅し、またも珍しく面と向かって「昨日はごめんなさい。言い過ぎました。」と素直に謝ってきた。決して謝る事のできないアスペルガーにしては珍しい現象に、少しだけ希望を感じた。そして夫の口からびっくりすることを聞かされた。

 

「昨日は酔っ払ってて言いすぎたんだ。」

 

「え、酔っ払ってたの??」全く知らなかった。すると夫は「出張先で2人でワイン4本空けて帰ってきたんだよね。そりゃ酔っ払ってるよ」と当然のことかのように返答した。私は目がテンになった。なんか様子が変だとは思っていたが、まさかそこまで泥酔した状態だったとは。完全に騙された。なんと私は酔っ払いと話していただけだった。だから話が飛びまくってぐちゃぐちゃだったのか。真面目に話し合ったと思っていた私はなんだったのか。ほんとに、ふざけんなよこのアスペやろう。

 

まぁとにかく、これで夫は自分から離婚を切り出すと本当に離婚することになることは少なくとも学んだだろう。こうして、もう彼から離婚を安易に切り出すことはなくなると思われる。

アスペルガー夫がもし離婚を切り出してきたら、本当に離婚する覚悟をこちらも持ち戦闘に望むべきだろう。そして、リアルに離婚したらどれだけアスペルガー夫にとって悲惨な現実が待っているか、脅したっぷりにイメージさせてあげると良いと思う。

 あぁ、しかし疲れた。

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